「メトロポリタン史学会 若手研究者の集い」参加記

※12月27日更新

メトロポリタン史学会という会の名前は、これまで聞いたことがありませんでした。それどころか、今まで、首都大学東京東京都立大学、以下都立大)に行く機会すら、何故か、ありませんでした。
今回、その都立大に行く気になったのは、この研究会のプログラムの最後、春田晴郎先生による、森谷公俊著『アレクサンドロス大王東征路の謎を解く』書評を、どうしても、何が何でも聞きたかったという理由です。この研究会の情報を回してくれた、都立大のT橋先生は
「遠いんだし、わざわざ来なくても良いよ」
と言ってくれたのですが、そうはいきません。森谷先生の『東征路の謎を解く』は、読まれた方は解ると思います、とても面白い本なのですが、現地での踏査・調査報告と史料批判を展開しているため、評価が極めて難しい―というよりほとんど不可能―な本なのです。読了した後に思ったのは、
『この本の書評は、到底自分の手には余る。可能な方は、春田先生を措いて他にはない』
ということでした。ですので、永観堂の「お手伝い」と関西学院大学西洋史研究会という、11月の恒例行事に無理やり穴をあけても、無理やりにでも東京、というより八王子まで行かざるを得なかったのです。
そして昨日、初めて行った都立大は、駅から至近の、実にお洒落な建物が並ぶ大学でした。周囲を睥睨するような巨大な建物もなく、品が良いところという印象です。肝腎の研究会、というより書評の場ですが、これがすごく楽しかった。著者の森谷先生もお越しになり、さながら評者の春田先生との共同授業という様相で、夜行バスでの疲れを完全に忘れて、思わず身を乗り出してしまうほど。参加者が少なかったのは本当に残念ですが、他方でぜいたくな時間を堪能することができました。
さて、せっかくの東京行きということもあり、この会の前後には、友人と会う時間をかなり多く詰め込みました。都立大に行く前には、旅仲間のまりもさんのご自宅を訪ねて、のんびりとおしゃべりしながらお昼を御馳走になりました。前々からお誘いいただいていて、やっと果たすことができました。そして今日は「関西旅行人の会」で知り合いとなったなかにしさんのご自宅での「旅人ブランチの会」でお昼ご飯を堪能した後、東京駅ではエディンバラ友のそらさんとお茶を楽しみました。9月はバタバタしすぎて自分の時間がありませんでしたが、今回は公用でなかったこともあって、充実の東京行でした。