西洋古代史サマーセミナー「西洋古代における戦争、平和、覇権」オンライン報告

9月26日更新

古代世界研究会主催の西洋古代史サマーセミナー「西洋古代における戦争、平和、覇権」で報告しました。報告「してきました」としなかったのは、研究会がオンライン開催(Zoom使用)となり、自宅から報告したためです。5月からウェブでの授業配信をやってきたために一通りの経験は積みましたが、研究会報告は初めてです。私も含めて、報告者は以下の通りです↓

  • 柴田広志「アッタロス朝ペルガモン独立の背景」
  • 小坂俊介「ローマ帝政後期の内乱と政治コミュニケーション:『テオドシウス法典』における戦後処理関連法文の分析」
  • 大谷哲「ペルシア王シャープール宛コンスタンティヌス帝書簡問題の検討」
  • 師尾晶子「ペルシア戦争の記憶と《ヘレネス》意識の創造と展開」

今年の秋に開催予定だった日韓中西洋古代史シンポジウムの予備報告という位置づけでしたが、1年順延になった関係で、少し緩めの内容となりました。

・・・さて、引き受けたものの、今回の報告は本当にしんどかった・・・昨年に史学会で報告したものを元に発展させたものだったので、少しは楽にできるかという目算は『捕らぬ狸のなんとやら』で、そんなことは全くありませんでした。前期オンライン授業のため、資料を全く読む時間がとれず。夏休み中はもう暑くて本を読む気になれず・・・おそらくは頭が、体が、とにかくだらける時間を欲していたのだと思いますが、おかげで研究が進展どころか停滞しておりました。私だけかと思ったら、報告者のお一人が

「これまで半年、自分が何をやっていたかの記憶が全くありません」

とおっしゃっていたので、自分だけではなかったのかとホッと一息。い、いやいや、安堵していてはいけないのですが、皆さん同業相哀れむ(誤字ではありません念のため)べし、という状況ですね。なんとか持ち時間ほぼきっかりで終わることはできましたが、私が悶々としていた

「どのような基準をもって『独立』とするか」

という点を相変わらず明快にできなかったため、他の参加者の皆さんを混乱させたのではないかと反省します。その点に関してもヒントをいくつかいただきましたので、次の段階に進めそうです。

ところで初経験のオンライン報告の感想ですが、資料をすべて手元に置いた状態で、移動もなく報告できるというのは極めて便利だと感じました。反面、臨場感の欠落は如何ともしがたいところです。緊張感と言うよりは違和感が先に立ったような、研究会報告でした。