雨中の愛宕山詣り

5月22日更新

海の彼方に思いを馳せる日が続くという状態は変わりませんが、寓居のある京都近辺でも、足を運んでいないところが多くあります。その一つが愛宕山でした。私にとっての山登りの師匠であるワラーチ職人・高田マイスターの音頭による愛宕山ハイキングに二つ返事で参加したのは、そんな事情があってのことです。当初予定は愛宕山ではなく伊吹山でしたが、当日が雨天なので愛宕山に変更になったという次第です。

雨だったら、伊吹山をやめて愛宕山に変更する(愛宕山も雨だが)というのは、なかなか恐ろしい話ではありますが。

さて、しかし当日は大ポカをやらかしてしまいました。集合場所は阪急嵐山駅、そこからバスで愛宕山だったのですが、何故か嵐山を桂駅と脳内誤変換しており(理由は不明)、気づいたときには、すでに嵐山駅からバスが出発している時間で、桂駅で血の気を失いました。次のバスは実に40分後ということで諦めかけましたが、他の面々は月輪寺を経由する遠回りなので、これだけで遅れても表参道から行けば間に合うとのことで、後から追いかけることを決断しました。

そうはいっても、雨中です。バスを降りてレインポンチョをまとい、表参道をひた歩いて登っていくと、外気の寒さと裏腹に、一気に暑くなってしまいました。サウナスーツを着て登り坂を歩いているようなものですから、当然といえば当然でしょうか。そしてひたすら歩むこと2時間ほど、愛宕山の本殿入口のところで、一同そろって記念写真というところで合流しました。考えようによっては最高のタイミングでの合流で、他の皆さんは大いにウケていました。私はといえば、意気上がるならぬ息上がっておりました。

本殿まであと一息

先行組と無事合流して下り道


ここからは先行組と合流して、他の皆さんは未踏の、私にとってはもと来た道を歩いて降りていきます。途中で雨も上がり、鳥居をくぐってこれでお仕舞いかと思ったら、そんな甘いことで済ませるこの一行ではありませんでした。ここから一部川沿いの東海遊歩道を歩いて、嵐山に出たのです。

泥で汚れた足を洗う一行。ほぼ全員、ワラーチでの挑戦でした。


嵐山では、本日の参加者唯一の女性・ジュンさんの知り合いがやっているというゲストハウスでお茶とケーキをごちそうになりました。ずいぶんと人手が増えてきたと感じる嵐山で気になったのは、かつて京都府立大学のバスの運転手だった出口さんが営んでいたそば屋「そば祥」の解体工事です。このゲストハウスでお話を聞いてみると、どうも最近、解体が始まったとのことです。おいしいところだったし、宿泊客には必ず勧めていたんですが、というお話を聞きながら、ふと往時に思いを馳せた、ゴールデンウィーク初日の山歩きの締めくくりでした。