オープン・キャンパス

オープン・キャンパスの手伝いで、朝(といっても11時頃)から駆り出される。高校生たちに府大に見学に来てもらってCMをする、というイヴェントである。大学院に入ってからは、毎年恒例の感がある。少なくともM2以降では、日本にいなかった2005年を除いて、毎年出向しているはずだから。
私を含めた院生たちの仕事は、先生方が持ってきた資料の展示解説。一昨年などは考古学以外の全ての展示品の解説を担当していたものだが、各分野からの院生動員の結果、私の仕事は西洋史の展示解説に限定される。まあ、楽になったものだ・・・なんて。見学者は午前中は模擬授業を聴講し、昼から展示解説が行われている史学科の演習室に雪崩れ込んでくる。見学者で人の流れが完全に対流してしまう時間帯も結構ある。府大、結構人気は高いと思う。
実のところ、このお手伝いは、各専攻分野がお互いの情報を交換しあうので、手伝いに動員される院生にとっても、得るところは多いのだ。何だかんだ言って普段は没交渉の各専攻間が交流する、なかなかに貴重な場となっている。ましてや今年は歴史地理学の先生もスタッフに加わっているので、江戸時代の京都の地図を戦前の地図と見比べながら先生方が議論を展開したり、あるいは日清戦争時のアメリカ駐清公使の書簡と、英国の風刺雑誌『パンチ』の日清戦争風刺漫画を並べて展示したりと、実に豪奢な展示解説となった。今日の見学者のうち、何人か府大に来てくれる人がいたら、こんな喜ばしいことはない(かなり昔、私がオープン・キャンパスで学部紹介をやった時に私の恥ずかしい説明を聞いた子が入学してきたことはあるけど・・・)。たまに、学科旅行とかで
「オープン・キャンパスで拝見しました!」
と申し出てくる人はいるんだけど・・・恥ずかしいですな。


さて、三十路を迎えて3日ほど経つが、
『こんなに幼いモノなのか!』
というのが実感。昔、『銀英伝』にはまっていた時以来、漠然として抱いていた30歳のイメージというのは、相当に老成した人、というイメージだった。今、そんなに社会の荒波を被っていない所為か、三十路を迎えた私は、あの頃思い描いていた図像よりも、はるかに幼い。そんな悪寒がする。