映画感想『墨攻』

この映画の上映が明日までと知り、慌てて京極のMOVIX京都に行く。
チケットを買ってシアターに入ってみると、客が驚くほど少ない。うーん、こりゃ興業不振の所為で上映期間が短かったんだな・・・
この映画は、原作は日本の小説で、酒見賢一の『墨攻』である事は広く知られているだろう。漫画化もされているから、ある意味でメディアミックスといえなくもない。漫画については単行本のカヴァーイラストしか見ていないけど、主役の顔が違いすぎるだろう。アンディ・ラウでは格好良すぎる。まあ、彼だからこそ、騎乗姿も様になっていたんだろうけど、
・・・待てよ、時代設定が紀元前370年だとすると、騎兵が多すぎる。趙の武霊王による「胡服騎射」以前の事だから、騎兵はまずいないか、いても多数ではないはず。馬車の方が多いはずなのに、まったく馬車がない。それに、前370年時点では、「戦国の七雄」でも王号を称していたのは楚だけのはずで、「梁王」というのは存在しない(ちなみに戦国時代では、「梁」は魏の別称)。
などと突っ込みだしたらキリがないか。騎兵が多いから戦闘シーンも迫力があったのは確かな事だし。戦闘と、駆け引きの描写は絶品の一言。


ちなみに、この映画で一番驚愕したのは、何と最後のスタッフロールの時。音響監督が川井憲次さん。
「何故、あの名匠が香港映画の音響監督やってるの?」
愕然として席を立ってしまった。