映画鑑賞「相棒 劇場版」

何ヶ月ぶりか忘れそうになるくらい久しぶりに観てきた映画は、GWに封切られてから大人気を博してきた「相棒」劇場版。TVドラマは二時間ドラマの頃からの大ファンで、毎年秋・冬のシーズンには欠かすことなくチェックしてきたくらい。その割には映画を見に行くのが遅くなったが、・・・何でだろう。よく解らん。さすがに客も少なかった。
それはさておき、出来はTVシリーズの魅力たっぷりの渋さを存分に残し、灼け付くような緊張感一杯の、実に良い作品に仕上がっている。豪華な役者陣もそうであり、なかんずく、「友情出演」で名もないランナーとして岸谷五朗が出ているところは、思わず快哉を叫んだ。
・・・ただ、違和感を感じるところもあって。ドラマを支える犯人の動機が、中途半端な「自己責任論」再論、それも当該時期の政府当局に責任を全て押しつけるかたちのそれに見えるのが、何とも目に付いてしまった。ドラマの「源泉」も、大体その時期に求められているし。報道機関としての役割と娯楽提供機関としての役割、TVに求められる二つの役割の、実に危険なバランスの所為なのだろうか・・・時事ネタは仕方がないとしても、自分に対する冷静な分析を怠ったならば、あのネタを取り上げるのは、本当に危険なのだ。あらためて、それを思った。