午後6時半から、広河隆一氏の講演会「ガザ ナクバから61年目の現実 〜今、パレスチナ問題の根源に立ち返る〜」を傍聴するため、京都大学に行ってきました。
広河隆一氏については、心ある人はよく知っているジャーナリストであろうと思います。パレスティナとチェルノブイリを主要なフィールドとして活躍するフォト・ジャーナリストで、おそらく現在、日本で最高のジャーナリストと断言して問題なかろうと思います。その広河氏を京大の岡真理教授がCOEプログラムの一環として招待、講演をお願いしたという次第です。私にとって、氏の講演を聴くのは数年ぶりで、前に聞いたときは立命館の講演会でした。
会場は文学部棟の第三講義室、比較的広い教室だったんですが、若干遅れて到着したら既に満員、私も補助席に座る羽目となりました。講演会は、前半が広河氏監修の『パレスチナ1948・NAKBA』というフィルムの上映、後半が広河氏の講演という構成でした。「ナクバ」とはアラブ語で「大惨事」を意味するとのことで、特にパレスティナではイスラエルの建国と、それに伴って発生した・・・いや、正確には発生「し続けて絶えることがなかった」と言うべきでしょうが、とにかくこのイスラエル建国という悲劇を指して、この言葉を使用するのだそうです。その「ナクバ」に際して起こった出来事を、現場証人の証言と、広河氏が撮り続けてきたイスラエルによるテロリズムおよび戦争犯罪の証拠写真を織り交ぜて編集したのが、今日上映された映画でした。ちなみに、1時間20分弱のこの映画、それだけでも圧倒的な存在感なのに、未だ「序章」に過ぎないとのことで、全体でなんと40時間に及ぶのだとか。凄いの一言に尽きます。
後半は広河氏による1時間の講演、そして30分の質疑応答。時間の構成上、こうせざるを得なかったのでしょうが、それにしても広河氏の話が1時間って、短すぎです。立命館での講演会は、チェルノブイリの話も織り交ぜてのモノでしたが、今日はパレスティナに集中しての講演、非常に濃密かつ圧倒的でした。資料代の500円、安すぎるほどでしたね。
広河氏の仕事は幾度となく本ブログでも採りあげてきましたが、今日は敢えて。心ある人に。
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