梅雨入りの日本列島

数日前に疎水沿いに蛍が舞い始めたと思ったら、梅雨に入りました。昨年は空梅雨でしたが、今年は結構、降りそうな気配です。どうにも私は雨が嫌いな人間で、何しろ雨は嫌いだし傘も嫌い、という困った男です。そのくせ、沙漠に雨を降らせるくらいの超弩級の雨男なので、何とも・・・上手く行かないものですな。
さて。
「梅雨」という表現はなかなか良いものであると思いますが、これが英語にするとどうなるんでしょうか。正確なところは解りかねますが、私はたいてい"Japan's rainy season"と説明します。これで間違いはないはず、ニュアンスも問題なく通用するのですが、何とも雅ではない表現です。
これは柳沼重剛さんの『西洋古典こぼれ話』でも言われていたことだったと思うのですが、どうも英語という言語、日本語と相性が宜しくないようで、本当に邦訳し難い。これは先日の洛北史学会の懇親会で報告者のお一人(ロシア史のY田先生)も同意して下さったのですが、
「ドイツ語やロシア語に比べて、英語は日本人にとっては、正直言って勝手が悪い」
と思いますね。似たようなことを、一昨日の考古学の洋書講読で担当が回ってきたK女史も言っていました。彼女も在外経験が長い人で、流石に英文の意味はほぼ問題なく把握できていたのですが、
「英語って日本語に訳し難くって・・・」
という言葉は、弁解ではなくして、単なる実感としてそう思います。かくいう私も、英文和訳はまったく自信がない方です。だから一緒に読んでる学生さんには、
「意味は取れているからもう一歩だよ。後は、日本語の知識がどれだけあるかの勝負」
と言っています。実際、「読めている」と「訳せている」は段階の違う問題で、それも訳文を見ていれば、どれだけ訳文が頓珍漢になっていても、読めているかどうかは解りますね、結構。だから日本語を磨きなさい、とこれは自戒も込めて言っています。鬱になりかけの時に『論語』を素読しているだけでは間に合わない、と解っているのですが、なかなか・・・


そんなことはさて措きまして、明日の夜行バスで東京に向かいます。今回もイヴェントをめいっぱい詰め込んだ日程となっております。東京で会う皆さん、よろしくお願い申し上げます。