エディンバラ・レポート27:ヨーク訪問録

先週の土曜日はケンブリッジのテストがありまして、終わった後はみんな大騒ぎをしていた(何だか「寿司パーティー」をやったとかで日本人は総動員を食らっていたらしい・・・)ようですが、私はそれを尻目にヨークに行ってきました。ヨークはイングランド北部の中心地で、歴史はローマにさかのぼり、様々な画期を経験した土地です。軍人皇帝時代の直前、セウェルス朝のセプティミウス・セウェルス帝はこの地で紀元後211年に没しておりますし、コンスタンティヌス大帝は306年、この地で帝位を宣しました。そんなわけで、長い歴史を誇るヨーク・ミンスター聖堂の前には、兵装して玉座に君臨する大帝の銅像が鎮座しています。中世に至るまで、連合王国史上の様々な歴史的事件のキーとなってきた場所です。ちなみに中世というと、此処は「薔薇戦争」の主役のひとり、リチャード三世所縁の地でもあります。
訪問してみて、驚きました。情緒にあふれた街で、中世のたたずまいを残すとはこういうことかというモデルのような街です。聖堂の尖塔は市内で一番高い所ということで、此処から見下ろした時の美しい街並みには、正直、ため息が出ました。また、市内の博物館にはローマ時代の遺物も多数展示されておりまして、古代史をやっている人間としても非常に満足しました。前評判が非常に良い街だったんですが、その評判は嘘ではありませんでしたね。こういうところは、友達同士でワイワイ訪れたり、カップルで訪問するとすごく良い街なんだろうなぁ、と思います。
さて、では、何故誰も誘わずに独りで来ることを決めたのか、といいますと。
渡英以前からこの地を訪れることは予定表に書き込んでいたんですが、独りで来たのは、一言で言って此処ではクレイジーなことをやる予定で居たから。何をやったのかというと、城壁全面踏破です。到着二日目、市内から少し離れたYH(宿所)に荷を預けると、一番近い塔門から登って、全て歩き回るまでに、ほぼ半日以上を費やしました。写真を撮りまくりましたので、私のPCを見た人間は、私を城壁マニアだと確信するはずです。別に間違った感想ではないんですが、それよりも、半分以上は仕事のつもりでやりましたね。イングランド北部の中心地として重要な街が、どの程度の規模であるのかを実感するのに、非常に良い作業でした。
ちなみに、そういった歴史学とだとかそういうことを完全に離れて一番楽しんだのは、鉄道駅すぐ近くにある鉄道博物館。こりゃもう、楽しいの一言。SL一杯だし新幹線まであるし。童心に帰ってはしゃいだ一時間弱でした。
さて、そんなところで街中を歩いている間に、こんな本が増えていました↓

Alexander The Great And The Hellenistic Age

Alexander The Great And The Hellenistic Age

流石に£6で売っていたら買わないわけにはいかないわな…