イランがまた忙しい

ここのところ、悩んだり髪を切ったり掃除したり酒に溺れていたり(笑)で、「ロシア政治経済ジャーナル」を見るまでうっかりと見過ごしておりましたニュースですが。記事は毎日新聞、9月20日付より。

アフマディネジャド・イラン大統領:「ユダヤ人大虐殺は作り話」 改めて主張
イラン大統領、また

テヘラン春日孝之、欧州総局】イランのアフマディネジャド大統領は18日、テヘラン大で演説し、ナチス・ドイツによるホロコーストユダヤ人大虐殺)について「シオニスト政権(イスラエル)を作るための口実だった」と改めて主張した。イラン国営のプレス・テレビによると、大統領は「ホロコーストが事実なら、どうして(米欧は)事実かどうか証明することを許さないのか」と述べた。
(中略)
ロイター通信によると、米ホワイトハウスのギブス報道官は18日、今回の発言について「無知で根拠がなく忌まわしい」と批判。またシュタインマイヤー独外相は「反ユダヤ主義は非難されるべきだ」との声明を出した。

敢えて毎日新聞を選んだのは、この記事を書いている同紙テヘラン特派員の春日孝之記者に対して、私が「五大紙最高の海外特派員」と評価しているからに他なりません。このニュースに関しては、以前アハマディネジャドが「ホロコースト否定発言」をした時に、
「基本的に、彼の発言は正しい」
と指摘した立場は、いまも揺らいでおりません。今回も、ホロコーストイスラエルを作るための口実・・・というのは、あながち間違いと言い切れないところもあって、欧米諸国としては面憎さを禁じ得ないところでありましょう。と申しますのは、欧州諸国では、ナチス・ドイツに対して擁護ないし肯定的な評価をした人間は、たとい誠実・実証的な研究をした人であっても投獄される、という事実が厳として存在するからです。また、この発言を「反ユダヤ主義」と額面通りに捉える大馬鹿者は、それこそ事情に精通していない日本人くらいなものでしょう。「反ユダヤ主義」という独外相の言葉は、「愚言」と切り捨てられてしかるべきものであること、明々白々で、
正しくは「反イスラエル主義」
とするべきなのです。欧米で、イスラエルの存在を正当化するために、ホロコーストが如何に悪用されているか、プラハシナゴーグをまわった経験を持つ人にはよく解るところでしょう。
それにしても。
イランの情勢がまた動揺するのはイヤなものです。せっかく、エディンバラの友人ホスローやレイラ、あるいはヴァレンティーナと「一緒に旅行しようよ」と、およそ私らしくもない約束までしたというのに・・・