下宿を探して、そして元の鞘に戻って

エディンバラへと発つ前、私が十年ほど住んでいた下宿は、京都は北山にある、某ND女子大学の目の前にある、木造2階建ての、風呂・トイレ共同というところでした。周囲は高級住宅街であるため、周囲の景色の中では、やや浮いておりました。その佇まいの所為か、目の前にある某女子大学の学生は、
『本当に、あの下宿には人が住んでいるのか』
と、ちょっとした話題にしていたそうです。・・・と、そんな話を、エディンバラでの学友・UTAKAさんに聞きました。当然ながら彼女、私がその場所の住人であると公言すると、驚愕を隠しきれぬといった表情で、目を見張っていたものです。
しかしながら。・・・まさか、その場所に、また戻ることになろうとは、エディンバラに発つ時も、ましてやそこから帰国した時も、思いもよりませんでした。
京都で物件を幾つか当たっている際、ネットでの物件の中に、旧居を見出しまして、
「南向きの部屋があれば、候補の中に入れたい」
と申し出た後、話があれよあれよと進みまして、気が付いたら戻ることになっていました。私の携帯電話はその時と同じものを使用しておりますので、当然ながら、前の大家さんの番号は登録したまま。仮契約をした段階で
「またお願いします」
と挨拶、次いで母親に連絡したところ、爆笑しておりました。その話をFacebookで公開すると、件のUTAKAさんは、やはり爆笑しておりました。いえ、あくまでもテクストのコメントですから想像なのですが、多分、エディンバラで大爆笑していたんだろうなぁ、と思います。
ともあれ、諸事整ってまいりました。後は、荷物の再選定作業という、悪夢のような作業が待っております。