フランスでブルカ禁止

ブルカは「国の価値観と相いれず」=決議採択、禁止立法化に弾み−仏下院
【パリ時事】仏国民議会(下院)は11日、イスラム教徒の女性が着用するブルカなど顔全体を覆う衣装が「国家の価値観と相いれない」として、必要な対策を求める決議を出席全議員の賛成で採択した。決議に法的拘束力はないが、公共の場所でのこうした衣装着用を法律で禁止する動きに弾みが付きそうだ。
決議はブルカなどが「女性の尊厳と男女平等を侵害」するとし、「着用を強制される女性を守るため、必要なあらゆる措置」を検討すべきだと主張。サルコジ政権の右派与党のほか最大野党の社会党も賛成したが、共産党緑の党は棄権した。
サルコジ政権は、公共の場所でブルカなどを着用した女性を罰金刑とするほか、妻や娘に着用を強要した者には罰金に加えて禁固を科す法案を準備中。仏各メディアによれば、来週中の閣議決定を経て、7月に議会へ提出される見通しだ。

以前も書いたことですが(→こちら)、イスラーム圏の女性がよく被っているあの頭布は、われわれ西洋的(あるいは「近代的」)価値観に親しんでいる人間が思うほど、差別の象徴というわけではないのです。むしろ、慣習として、深く服飾文化に根を張っているものなのです。むしろ、ブルカ着用を禁じられる方が、生得の権利を奪われるとみなされる傾向すらある、と私はこの身をもって確認しております。ですから、短絡的に「男女平等の阻害要因」としてみるのは間違い、というのが私の印象です。
そうしてみますと、この決定の背後にあるものは、むしろEUの「盟主」を自認するフランスが、以前よりも明確に、反イスラームへのベクトルを打ち出した、ということであろうと思います。
・・・この状況を、さて、コンスタンティノープルの現所有者たちは、いま、どう見ているのだろう、あの千年の王城の主たちの後継者はどう見ているのだろうか・・・と思ってしまいます。