充実怒濤の西洋史学会

西洋史学会出席のため、東京・三田の慶應義塾大学に足を運びました。実は慶應に行くのはこれが初めてのことであります。
2日間の日程の初日である土曜日、当初予定では午前中は神保町でゆっくり、午後に悠々と三田に向かうはずが、旅仲間のはるこ先生が古代オリエント博物館の特別展「世界の文字の物語ーユーラシア 文字のかたちー」の関連企画、
「文字のシルクロード:西アジアから東アジアへ」
の情報を流してくれたために、事情が一気に変わりました。4人の講師によるリレー講演だったのですが、そのうちお一人が東海大学の春田晴郎先生ということで、「これは聴かねば」となりまして、日程が強行軍になってしまいました次第。午前10時半頃に会場入りしてじっくり特別展を見て回り、午後ははるこ先生と合流して講演会を聴講、そして途中で抜け出して三田に駆けつけ、公開講演(後半)と懇親会に合流・・・というドタバタの一日となってしまいました。ただ、慌てただけの価値はありました。まずオリエント博物館の方ですが、展示・講演ともにとても面白く勉強になるものでした。講演会が大盛況過ぎて、会場が完全にパンクしていたのは主催者側の予測を超えるところだったらしいのですが、これは嬉しい誤算というところでしょう。そして慌てて駆けつけた三田の西洋史学会では、東京大学の鈴木董名誉教授の講演がとてつもなく面白く、ずっと笑いながら聴講していました。
2日目の日曜日は部会および各シンポジウムの後に行われた「若手歴史家ワークショップ How to get published〜博論から英語モノグラフへ〜」に少しだけ顔を出しました。主催者の山本浩司さんなど、エディンバラ時代の友人が何人か参加していたため、久闊を序することが主な目的でした。博士論文を出して活字として世に問う、というのは日本でも一大事業ですが、これを日本人が欧文として出す、となるとさらに難度が上がります。この点に関する意見交換会を、という趣旨のものでしたが、残念ながら本当にさわりだけで中座せざるを得ませんでした。
とまれ2日間、思いもかけず2週連続の東京行となりましたが、おもに旧知の人々との再会を軸に、充実した学会でした。