徒然に:本の紹介など

5月1日〜5日の古本祭で購入した以外の入手書籍をピックアップ↓

お世話になりっぱなしの関西学院大学・中谷功治先生の博士論文。地道な実証研究の蓄積で、このような手続きを常に手本としていたいものであります。
近代仏教スタディーズ: 仏教からみたもうひとつの近代

近代仏教スタディーズ: 仏教からみたもうひとつの近代

編者の1人である大谷栄一先生は大変お世話になっている方で、5月12日に心斎橋のジュンク堂で行われた講演会後に購入、サインを早速にいただいたものであります。
ローマ帝国の東西分裂

ローマ帝国の東西分裂

南雲さんのデビュー論文が収録されていないのは、個人的に(極めて個人的に!)残念ですが、それはさておきまして、ローマ帝国東西分裂期の政治史を、当該時期の、皇帝を除く主役たちの分析の蓄積によって解明していくという内容。編者である豊田浩志先生の西洋史学会でのお話があまりにも面白く、その勢いに押し切られる形で購入してしまいました。ただし、動機はさておきまして、これは歴史の研究入門として極めて有益な一冊です。おそらくは、いわゆる西洋史以外の分野の人にとっても。
ガンダーラ彫刻と仏教 (プリミエ・コレクション)

ガンダーラ彫刻と仏教 (プリミエ・コレクション)

年明けから今に至るまで日本で出版された本の中で、おそらくこれが一番の収穫です。それだけに内容紹介等には慎重でありたいと思います。一言だけ。この研究の成果とヘレニズム時代史との間をどのように調整していくか、大きな課題を示した一冊と考えます。
Seleukid Royal Women: Creation, Representation and Distortion of Hellenistic Queenship in the Seleukid Empire

Seleukid Royal Women: Creation, Representation and Distortion of Hellenistic Queenship in the Seleukid Empire

編者の1人、アレックス・マコーレーはエディンバラ時代、アースキン先生門下で机を並べた人間。当時から頭の良さと活発さが際だっていました。そのころから一貫してセレウコス朝の王家の系譜解明という課題を扱っておりまして、その成果の一端が出た形と思います。この本と私の研究を付き合わせて考察をしなければなぁ、と思っているところにアレックスから「貴君の評価を求む」と挑戦状が届きまして、いま慌てふためていているところです。