湖南省訪問記

4月11日更新

3月は1日から4日まで、中国は湖南省省都長沙と、やや離れた衡山を5人連れで訪問してきました。
企画者はいつものごとくT氏ですが、彼も未だ、長沙を始め湖南を訪れたことがないとのことで、まさに手探り。初日いきなり予約していた宿が泊まれないという恐ろしい事態に直面、市内を1時間ほどウロウロするという吃驚の事件から旅は始まり、
「まさにトラベルはトラブルだなぁ」
という与太を飛ばすことができるのも、何とかその日の宿を確保できたからこそ出来ることです。
ここ1年と少しの間に訪問した場所はいずれも、上海をはじめとする沿岸部ばかり。中国の成長著しいところが多かったのですが、長沙は表通りを一歩入ると、路地裏にはすぐに昔のような古びたビル群や街並みが姿を現します。私にとっては馴染みの中国が、未だ此処には残っていました。
事情は衡山も同様でした。衡山は五岳のひとつに数えられ、南岳と称されています。しかしそこにいたる交通網の整備は、お世辞にも良いとはいえません。高速鉄道の停まる衡山西駅からの公共交通は5時過ぎにはお仕舞い、それでいて南岳大廟を有する麓の集落までは、車で30分ほどもかかります。以前の中心駅であった(で、あろう)衡山駅も、離れた場所にあるという点では変わりません。西域の交通事情を思い出しながら駅の近くでミニバスを下りると、高速鉄道の停まらない駅の古びた駅舎の前で、衝撃のあまり立ちすくんでしまいました。旅人としての私の全盛期を思い出す光景に、しばし感慨に浸ってしまう湖南省でした。