愚策の後先:現場からの悲鳴

<1000円高速>損失5億円 渋滞や新幹線利用減

 高速道路料金を上限1000円に割り引く制度で、東京−名古屋間では今春の大型連休(4月25日〜5月6日)に最大で5億円近い社会的損失が生じたとの試算を、有村俊秀・上智大准教授と岩田和之・日本学術振興会特別研究員がまとめた。渋滞による移動効率悪化や東海道新幹線の利用者減が主な要因という。二酸化炭素(CO2)排出量も昨年同期に比べ5割以上増えた。制度はお盆期間の平日も実施中だが、地球温暖化と経済対策の両面で検証を迫られそうだ。〔毎日新聞

私のバイト先は関西空港行きのバスのポーターですので、こういう政策をとられると、モロに被害を被ります。「被害」と書きましたがまさに被害で、商売あがったりなのです。昨日の例で行くと、名神高速道路が京都南インターから近畿道に抜ける吹田インターまで、通常ですと所要時間30分くらいのところが、私が出勤した12時半の時点で2時間以上、という悲惨な状況でした。
一夜明けて、「さすがに今日は大丈夫だろう」と思って道路交通情報のウェブサイトを見た私の口からは、長い長いうめき声が発せられました。早朝4時50分時点で、京都南―吹田間が1時間10分以上。結局また今日も「乗車はご遠慮下さい」の連続という悲劇が待っていました。
もちろん、GWと盆暮れは道が混むモノですが、未だ盆のラッシュには早すぎるんです。どう考えても、国の愚策の被害を被っているといわざるを得ません。何しろこの時期は、普段高速道路に乗り慣れてない人が高速に乗って、うっかり事故を起こして渋滞・・・というケースを延々と繰り返しているんです。まして、何を考えているのか解らない、道路混雑時の高速運賃値下げ・・・これは火に油、というより火災現場にナパーム弾、というくらいの破壊力があります。
あ、断っておきますが、通常でしたら、目的地まで1時間半〜2時間弱で行く路線なんですよ。それに土・日は、比較的道が空くので、運行は比較的スムーズなハズなんです。だから、盆のラッシュに未だ入っていないハズの昨日・今日は、通常運行の見込みだったんです。ええ、この愚劣極まる人気取り政策さえなければ。
これで、この愚策が「百害あって一利なし」ということは十二分に証明されたかと思います。あとは一日も早い撤回を望むだけです。被害状況を、まさに現場中の現場であるバス会社や運送会社からどれほど拾い集めているのか・・・頭を下げるのは、現場にいる人間なのです。


ところで、今晩から一泊二日で東京に行きます。