スコットランド独立投票(Scottish independence referendum)

2015年3月4日アップロード

エディンバラ大学に留学していた身としては迂闊なことながら、この投票に対する関心は、さほど高くはありませんでした。ただ、留学最終盤の2011年夏にUK各所で発生したデモは、比較的近場といってよいエディンバラから眺めていたこともあり、
「キャメロンは政治が拙劣みたいだなぁ」
という感想を抱いたものでした。もっとも、・・・こんな投票が実現してしまうところまで行くとは、さすがに思っていませんでした。そして、こんなにも盛り上がるとは想像の埒外でした。
興味深かったのは、私のエディンバラ時代の友人たちが、スコットランドの独立投票でYesとNoのどちらに入れるか、フェイスブックなどで堂々と表明していたことです。独立賛成派が反対派を上回る状況になると、もう落ち着いては居られません。
「あなたは独立賛成?反対?」
などと、幾度訊かれたことでしょう?その都度答えたのは、
「さっぱり解りません」
・・・我ながらひどいことを言っていたものですが、こんな精神状態では仕事に集中などできません。投開票当日を迎え、おもわず
エディンバラの朋友たちよ、結果がどちらに転んでも、私の心はエディンバラにある!」
などとフェイスブックで呟いてしまう状態。そして結果は、皆さんご存知の通り、独立反対に決まったわけですが、・・・その時、心の底から落胆している自分の姿を眺めながら、初めて解りました。
自分は、スコットランド独立支持派だったのだ、と。
なお、スコットランド在住で、私もエディンバラ大学で幾度か話した研究者・久保山尚さんが、極めて興味深い分析をしています。どうぞこちらの記事も読んでください。スコットランド独立投票が、偏狭なナショナリズムの表れではない、と皆さんが理解してもらえれば幸いです。

スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動
久保山尚 / スコットランド