月例(?)映画鑑賞・『300』

私もお世話になっているある先生が管理されているサイトに、今日観に行った映画『300』に対する、こんな評価が出ていた。


「金かえせ!!『300』」


専門の方の評価だが、ここまで酷評される映画ってどんな映画なのかと、結構興味津々で観に行ってみた。未だ公開されてそれほど日が経っていないという事で、映画館の入りはそこそこ。まあ、午前の会だったから、客の入りもそんなに多くはなかった、という事かも。
映画は2時間弱だが、取り敢えず、観た感想を一言。


珈琲ではなく、麦酒を買って入場するべきだった。そうすりゃ、気持ちよく寝る事が出来たっていうのに。この映画、いったい何なのよ・・・


(以下のコメントは、ネタばらしを含みますので、これから見に行かれる方はとばして下さって結構です。)


スパルタ軍の描写についても言いたい事は腐るほどあるが、それはさておいて、ペルシア軍の描写が酷すぎる。まずはペルシア王のクセルクセス一世だが、何だって半裸スキンヘッドで髭無しなのよ。これって、近代アフリカの黒人王とインドのマハラジャに、古代エジプトのファラオのイメージを無理矢理混ぜ合わせているよね。それから、ペルシア王親衛隊の「不死隊」、これは「ジャパニーズ・ニンジャ」以外の何ものでもない。
この映画と比較してみると、オリヴァー・ストーンの『アレキサンダー』の忠実さが、際だって目立つ(というより、比較の対象にしてしまったらストーンに失礼か)。でも、『アレキサンダー』は、一般の評価では批判ゴウゴウで、『300』は比較的評価が高い、らしい・・・何故?ちなみに、専門家の間では、『アレキサンダー』の評価は比較的高かったように思うのだが。こりゃ、確かに角度を変えて、
アメリカの『オリエンタル・イメージ』の貧困さを、露骨に物語る作品」
としてしか、見所はないな(私自身は、そういう見方しかできなくて、途中から失笑を連発していた。隣で観ていた人、迷惑だったらごめんなさい)。それ以外には、やたらめったらに「自由なギリシア」を叫ぶレオニダス王をはじめとする、半裸マッチョのスパルタ人の男祭り、というくらいしか見所はない。しかし、スパルタの重装歩兵、何故に上半身裸か?この映画は、ひょっとしてハリウッド版『薔薇族』もしくは『超兄貴』ですか?


やれやれ、半分以上仕事とはいえ、確かに金を返して欲しいところだな。同様に「半分、仕事」で観た映画とはいえ、『トロイ』や『アレキサンダー』は、それなりに楽しめたのだが。
でも、最後の締めはやっぱりプラタイアの会戦ですね。そこは、納得できた。しかし、どう考えてもギリシア軍の兵数が多すぎですけど。