西洋史学会大会

西洋史学会の大会のため、松江の島根大学に行ってきた。
「ああ、他界された新田一郎先生は、この大学で教えていらしたんだな」
と、法文学部棟の建物を見上げながら、慨嘆せずにはいられなかった。

わざわざ前日、駅前に投宿して午前中の古代史部会報告・午後のシンポジウムと拝聴してくる。部会報告も非常に興味深かったが、午後のシンポジウムはそれにもまして面白かった。
シンポジウムのタイトルはこんな感じ。

小シンポジウム 西洋古代史における「衰退」の問題

最後の「総合討論」まで聞きたかったのだが、バスの時間の都合上、それは望めなかった。残念至極。
そんなわけで、全体を通して聞けたのは「論点1」についてだけだったが、古代ギリシアの諸都市国家の定義や繁栄の基準を何処に置くか、という議論を聴きながら(私は古典期ギリシアについては殆ど素人同然なので・汗)思ったのは、
ギリシアの衰退の基準を自治を失ったか否かに置く立場から観た場合、はたして、戦後の日本は「繁栄してきた」ということがいえるのかな?』
ということ。
もとより、こうした「衰退」「衰亡」をめぐる議論が、現在の我々の状況からフィードバックされてくる問題設定であるのは言うまでもないが、それにしても、今の日本が「衰退」していると言っていいのか、非常に興味深いところではある。

松江駅では、バス待ちの間に知り合いの先生方に頭を下げまくった挙げ句に長時間のバス移動のため、すっかり腰が痛くなってしまったよ。