バイト先を辞めてきました

京都駅八条口でのアルバイトを先輩から紹介してもらったのは1回生の年度の暮れ、私が未だ10代の時、前世紀のことですから、もう・・・ええ、すんごい前のことになります。以来、様々なお客さんや友人、知人の送り迎えをしてきました。私を知っている方は、たいてい驚愕を禁じ得ないという顔をされますし、そういった顔を見るのも、そして思いがけない方を出迎えるのも、秘かならざる楽しみでした。
私は開業後ほどなくからの最古参クラスのスタッフの一人ですが、当初同僚たちと頻繁に交わした
「いつ廃便になるか」
という鳩首協議、あるいは関空の関西三都(京阪神)からの不便さについてのバスの運転手たちとの協議、そしてここ数年の客の増加のてんてこ舞い・・・かけずり回っているうちに、いつしか最古参になり、各方面のバスの運転手さんにすっかり顔を覚えられるまでになりました。
ですが。
ここ2年ほど、とくにこの1年は環境の極度の悪化により、別の場所を求める意識が強くなりました。幸いに別の場所が見つかりまして、年度の区切りに仕事を変わることになりました次第。
昨日と一昨日が最終勤務で、ひたすら各方面への挨拶回りに終始いたしましたが、
「えぇ、辞めちゃうの?寂しなるわぁ、京都に来ても君がおらへんと」
と各路線の運転手さんが口を揃えて、心の底から残念そうに言ってくださる、その言葉が私にとって、何より格別の労いの言葉です。思いは尽きねど、次の場所はよりよい場所だと信じております。