第12回日韓中西洋古代史シンポジウム参加記

11月3日更新

10月22日・23日と行われた、日韓中西洋古代史シンポジウム(12th Korea-China-Japan Symposium on Ancient European History)に参加しました。今年は韓国の高麗大学校が主催校です。

このように書くと、韓国に飛んだのか?と思われるかもしれませんが、残念ながら、そんなことはありません。オンライン開催です。もし通常通りに開催されていれば、韓国にまともに訪れる、最初の機会だったのですが。それも、1年延期されてのことです。

このシンポジウムで、報告の機会を与えてもらいました。博論提出からこの方、ひたすらペルガモン王国の研究ばかりやってきたものですから、今回の報告も

The Background of Attalid of Pergamon's Independence

としました。もともとこれで2020年のアタマには題目を提出していたので、1年延期されたらそれだけ内容も熟成できる・・・なんて思った人もいるかもしれませんが、実態はそんなこともありませんでした。2020~21年度の2年間、担当授業の総数が各年度14コマ、しかもそのほとんどがオンライン授業で、これに対応するのに青息吐息という状況で、空いた時間はひたすら頭を空っぽにしたいというのが、この間の自身の状態でした。ましてや、国際学会だけに英語で原稿を書かなければならないとあっては・・・

それでも、原稿締め切り(先月末日)を前にして、関係文献を読んでいて、考えたことをまとめ上げて送信して、下読みをして、・・・割り当てられた報告時間を軽々と超過してしまうことに冷や汗をかきながら、直前1週間は原稿を削って削って、なんとか当日を迎えました。当日を迎えると行っても、報告は自宅からやるわけです。参加者の顔が見えないというオンライン学会の形式での報告は2回目ですが、どうにも慣れません。ついでに云えば、スーツを着るのは実に半年ぶりです(苦笑)。そして肝心の報告は、一番力を入れた最後の部分は、

「あと1分ですけど・・・」

と事務局の注意喚起でまるごとすっ飛ばすという、まさに暴挙をやってしまいました。まぁ、報告原稿は事前に送っていたので、コメントはきちんともらえたのですが、そのコメンテーターの先生(韓国人)が当日欠席で、コメント原稿を事務局の担当者が読み上げるというおまけがつきました。コメントそのものは大変に好意的なモノでしたが、コメントを聴いていておもったのは、当該分野の研究状況は、日韓中の3国で、それほど差が無いのかということです。進み具合と云うことではなく、研究が手薄なところに関して抱いた感慨です。

ともあれ、報告順が全体の3番目と云うことで、あとは肩の力を抜いてゆっくり聞くことができましたが、やっぱり直接に顔を合わせて、幕間には参加者でわいわいやりながら、話を聞きたいもんだと改めて思いました。報告者の中には、日本人はもとより、中国人にも知己がいるので、感慨はなおさらです。腹蔵のない話をする機会は、また別に設ける必要があるのかと痛感する2日間でした。