インドのテロに思う

私の知るボンベイ(あえて「ムンバイ」という言葉は使うまい)は、我が同好の士、ビンボー旅行者たちに敬遠される街だった。
何故かといえば、宿代が法外に高いから。
他の都市ならば間違いなくある安宿が、こと、この大都市には無い。とはいえ、鉄道大国インドであるから、一大ターミナルである商都ボンベイを経由しないわけにはいかない。そんなわけで、多くの強者たちが、ボンベイに着くと、街中に出ることもなく、別の都市へ流れていくのだ。
宿代が高い理由は、この街が一大商業センターであることに因るのだという。オフィスのリース代が東京より高いという話も聞く。今回の事件の舞台となったタージ・マハル・ホテルは、インド最大の財閥、タタ財閥が威信をかけて建てたホテルである。巨大ホテルだから商業センターも兼ねていて、欧米のビジネスマンが多く泊まっていたのだろう。だから標的にもなったのだろうが、・・・それにしても最近、インドでイスラム系勢力のものとされるテロが相次ぐ。その影響もあってか、おそらく建国以来といってよい蜜月関係にあるインド・パキスタン関係が冷えはじめているらしい。テロの目的もメリットも見えないから、正直よく解らん。何を目指しているんだろう・・・