いつもとは反対側からの峠越え:春の鬼そば屋訪問+東福寺(彦根)訪問記

3月21日更新

今年も春のエディンバラ帰省は夢のまた夢ということで、2月の最終週からこの方、週に何度か大文字山に登る以外には汚部屋掃除(誤変換ではありません)と読書くらいしかやっていません。しかしこの間にやっておくべきこととして心定めていることもいくつかありまして、その中にあったのが彦根・高宮の「東福寺」と、大江山の鬼そば屋の訪問でした。今回はそれに、能登川に立ち寄って「自家製酵母パン『ひとつぶ』」を訪れることにしました。

さて、まず3月6日に京都を新快速で出発、能登川で一時下車しました。「ひとつぶ」は、能登川ファブリカ村という集団の一員です。このお店のご主人が、大学時代のサークル「下鴨劇場」の後輩・げんちゃんの旦那さんです。本日はイベントに参加したために11時の開店だったようで、到着したのが11時前だったために、開店待ちをしていた他のお客さんの列がはけるのを少し待ちました。前は全然お客さんがいませんでしたが、考えてみたら昼過ぎの地方のパン屋さんで順番待ちの行列は、できないのが道理ではあります。その前回・1年半前の訪問時にはげんちゃんには会えませんでしたから、会うのは多分、十年以上ぶりであろうと思います。風がもう少し穏やかだったら、もっとゆっくり話ができたのかと思うのですが、まぁこれは仕方がない。会えただけでも充分、うれしい時間を持つことができました。

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能登川の或る建物(「ひとつぶ」ではありません)

この後、彦根駅で友人・静ちゃんと合流、彼の根拠地の東福寺へ向かいました。半年前に来たときよりもずいぶんとカタチになって来た印象を受けます。少しばかりお茶を飲んだり「ひとつぶ」で買ってきたパンを食べたりした後、作業を少し手伝いました。一人でやるよりも二人いた方が作業効率は良い、としみじみ言う静ちゃんであります。この寺の修理がすんだら、この場所を催しの場としたい、その一環で私に講座をやってほしいとの申し出を受けました。別に完成前に開始してしまっても良いんじゃないか、というのが私の返答であります。

一夜明けて、いったん北上して小浜に出て、その後は日本海岸に沿って舞鶴に向かいました。この経路は検索サイトに嫌われるようで、何度入力しても、一度京都に戻るように提案されます。実際にこの道をたどってみて、その理由がよくわかりました。列車の接続が、著しく悪いのです。まず、彦根から最初の乗換駅の近江塩津駅は、駅の中にも外にも、コンビニも何もありません。その後は敦賀~小浜~東舞鶴という旅程で、昼食を食べる時間を取れず仕舞い。そして東舞鶴から西舞鶴もまた、列車の接続が異常に悪い。東舞鶴についた後、西舞鶴に向かう列車が出るのは1時間弱、後です。その待ち時間を利用して、東舞鶴の街中をブラブラしました。東舞鶴は軍港で、駅前大通の三条通の端まで行くとそこは桟橋、というと言い過ぎでしょうが自衛艦が停泊していました。三条通と交差する各通りには、それぞれ軍艦の名前がついていました。海伝いにふらふら歩くと、赤れんがパークに出ます。昔の海軍の倉庫だったところで、今は各種文化施設として利用されています。その中に赤れんが博物館というのがあって、これは文字通りにひたすらレンガを扱う、面白い博物館です。

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近江塩津駅

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舞鶴の赤れんがパーク

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お土産屋さん

すっかり東舞鶴を堪能している間に、西舞鶴行きの列車は2本も逃してしまっていました。駅でよく調べてみれば、この両駅間はバスの行き来の方が頻繁です。で、西舞鶴までバスで向かいました。地図を広げ、バスに乗ってよくわかったのですが、東舞鶴と西舞鶴細川幽斎関ヶ原合戦の時に立てこもった田辺城があるので「田辺」といっても良いのかな)は完全に別の街で、6㎞離れた2つの街をひとつの行政単位にまとめた感じの都市です。道理で「舞鶴駅」は造れないわけです。そういえば、東舞鶴には自衛隊の艦艇が停泊していたのに対し、西舞鶴海上保安庁の船が停泊していました。同じ港町でも、こうしたところまで性格が違うんですね。宿はゲストハウス「宰嘉庵 かなで」のドミトリールームに取りました。ゆったりした雰囲気の宿で、6人ドミに客が私一人だけという状態。長居できなかったのが残念です。この宿の近くにある銭湯「若の湯」が定休日で入れなかったのも、残念でした。

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宰嘉庵かなで中庭

夜が明けて、宿の自転車を借りて街中を巡ると、西舞鶴駅から宮津へ。天橋立駅で降りて、荷物一式を担いで天橋立を渡りました。流石に、汗をかきました。渡りきったところで、天橋立ケーブル下バス停から丹海バスに乗って、大江山・雲原の「鬼そば屋」を目指します。13時17分発のバスは与謝が終点で、そこからトンネルの向こう側の鬼そば屋までは4㎞ほどあるため、料理長の七姫に迎えに来てもらいました。昨年もそうでしたが、今年も幸い、積雪はありません。今回は、初めて「炙り漬けそば」を食べました。なんとも贅沢な、と思いながら。今日の客は私が最後で、この後は所用のために東に向かう鬼そば屋の共同経営者お二人と共に、特急に乗って京都に戻ったのでした。

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天橋立の入り口にある智恩寺

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天橋立を歩く

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鬼そば屋店内