旅人は、瀬戸内の旅人を訪ねて〜豊島・岡山訪問録〜

この夏、手許には、まったく使用していない青春18切符が(略)。ぽっかりと予定が空いたこの2日ほど、その青春18切符を使うべく、瀬戸内の豊島と、岡山市立オリエント博物館を訪問してきました。
豊島を訪問したのは、エディンバラ友のちひろさんを訪ねるためです。前に会ったのが2015年、共通の珍友・静ちゃんが高野山で企画した「高野山1000年まつり 2015」でしたから、3年ぶりです。その3年間に、ちひろさんはオーストラリアにワーキングホリデーに行って、結婚して、子供を産んで、という目のまわりそうな変化の連続を経ていましたが、相変わらずでした。そのお子さんにすっかり懐かれてしまいまして、島を離れるときに大泣きされ、困ってしまう一幕もありました。
豊島は、近くの直島同様に「ベネッセアートサイト直島」の一角で、変な博物館が各所にあります。ちひろさんの旦那さんのアダムの言葉を借りれば「一館に展示品ひとつ」というところが多いのだとか。異国からの訪問者も多く、自転車や徒歩で島内を回っているのが印象的でした。
豊島を離れた後、岡山市立オリエント美術館へ。金沢での「ヘレニズム〜イスラーム考古学研究会」でよく顔を合わせる学芸員の四角隆二さんをお喚びすると、すぐに出てきてくださいまして、1時間ほど意見交換をすることに。ただいまの特別展
シルクロード新世紀 −ヒトが動き、モノが動く− Silk Road Revisited: Humans Created Eurasia
は、東京の古代オリエント博物館と、この岡山の館と、日本東西のオリエント専門の博物館がタッグを組んでの展示会ということで、その展示もそうですし、パネル解説が、私見では、シルクロード関係の解説としては、過去にないほど踏み込んだ文面になっているという印象を受けました。図録も、一般の来館者にウケる内容、などというモノではありません。文章は平易ながらも、きわめて野心的な内容となっており、むしろ当該分野の研究者こそが、熟読批判すべき構成となっています。よって、一読で済ませて買わずに館を出ていくのは、あまりにももったいない。座右に置いておけば、現時点での日本のシルクロード研究の状況を、相当詳しく概観できる内容になっています。
ちなみに四角さんはササン朝ガラスの専門家で、
ビザンツの専門家との意見交換の場が欲しいのだが・・・」
と考えているところに私が来たので、すっ飛んで出てきたそうです。同館での特別展会期は、9月9日まで、その後は池袋の古代オリエント博物館に巡回します。
以下、この二日間の写真です。上から順に、直島に行くフェリー、豊島の食堂「101」、ちひろさん一家との一枚、そして豊島の朝の風景です。