古代世界研究会サマーセミナー参加記

10月6日更新

昨年に引き続き、今年も古代世界研究会のサマーセミナーに参加してきました。

今回の東京行きはもうひとつ、国士舘大学古代イラク文化研究所訪問という別の仕事を組み合わせました。国士舘大学には、故・角田文衞先生旧蔵の書籍が収蔵されています。先生没後の文献整理の際に確認した本の中に、研究で必要な文献がいくつかあったのを思い出して、閲覧に伺った次第です。

ここで困ったのが、国士舘大学のキャンパスの散らばり具合です。数年前に世田谷のキャンパスを訪問したことはあるのですが、古代イラク文化研究所があるのは町田です。神保町をふらふらしていたときに検索して、焦る焦る。何とか無事に到着、岡田先生にも無事に研究所を案内していただいて事なきを得ましたが、我が身の迂闊さにはあきれ返るばかり。イラク文化研究所所蔵の書籍も貴重なものばかりと見受けましたが、現在は現地での調査が極めて困難なところです。貴重な組織だけに、存続を心の底から願うばかりです。

翌日は、早稲田へ。古代世界研究会のサマーセミナーは、昨年までの東洋大ではなく早稲田で開催されました。今回は報告・書評等が極めて充実しており、開始が12時半であることに気が付いたのは、なんと到着してから。おかげでトップバッターの報告を半分しか聞くことができませんでしたが、ご当人も前日まで30分ほど開始時間を勘違いしておられたとか。まぁ、私の迂闊さの言い訳にはなりませんが。そして、遅刻した所為で、早退された先生方への挨拶がおざなりに終わってしまったのは、身の不徳です。

前半は個別報告、後半は砂田徹氏の『共和政ローマの内乱とイタリア統合 ― 退役兵植民への地方都市の対応』の合評会でした。残念ながら著者は来られず、お弟子さんが代理で著者のメッセージを読み上げるという、珍しい形式。専門からは少し外れる内容でしたが、こうした諸々のことが面白い会でした。