奈良国立博物館特別展「よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―」見学記

9月6日更新

京都では大文字送り火の日ですが、今日は奈良へ。奈良国立博物館で開催中の、

特別展「よみがえる正倉院宝物-再現模造にみる天平の技-」

 の見学のためです*1。梅雨が明けてからの京都の暑さから逃れて、という側面があったのは間違いありません。もっとも、奈良もとんでもなく暑かったのですが。

さて、この特別展は文字通り、正倉院宝物の複製品の展示とその制作過程を紹介するものです。本来の会期は4月からだったようですが、新型肺炎(「パンデミック」だの「コロナ」だのでは、どうも実態から遠ざかるばかりと感じるので、この表現を用いることにします)のために会期を変更して、この7月からの開催となったようです。

「所詮はコピーで、ホンモノにはかなわない」

という見方もあるかと思いますが、この特別展で紹介されている複製品の制作過程を見学すると、そんな見方は吹き飛んでしまいます。現在可能な限りの知識と技術をつぎ込んだ複製品と解説は、まさに圧巻の一言です。

「この災害の多い日本、何があっても良いように」

という趣旨の、西川明彦・正倉院事務所長の言葉に、思わず深く首肯してしまうものです。

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北側から見る大仏殿

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転害門。創建当初から残る、数少ない建築とのこと。

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奈良女子大学脇の案内所。かつては派出所だったとのこと。

 

*1:奈良では9月6日まで。次の会場は、名古屋です。