近衞家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝10

10月24日更新

 

京都文化博物館で開催中の、

「近衞家 王朝のみやび―陽明文庫の名宝10-」

を見学してきました。本日が最終日ということで、特別展かと思いきや館2階の総合展示コーナーで開催されていたので、500円で見学できました。通常展であることに加え、目玉となるような美術工芸品の展示が無かった所為でしょうか、人の入りもまばらでした。

とはいえ、そこは流石、近衛家の宝物ですから、史料の宝庫です。美術品の展示こそありませんでしたが、近衛家歴代当主の日記が、これでもかというくらいに展示されていました。その筆頭は藤原道長の『御堂関白記』でしょう。他にも元寇応仁の乱当時の当主の日記や和歌など、歴史学徒にとってはとても見ごたえのある展示でした。本物の一級史料の展示を定期的に見ることができるというのは、やはり千年の都ならではのことだと改めて思います。国史は羨ましい、というのは平凡に過ぎる感慨でしょうか。

同じ階では同じく企画展として、

京都府内の学校所在資料展―「京一中」・「府一」・「京二中」のたからもの―」

を開催していました。現在は洛北・鴨沂・鳥羽の三つの高等学校となっている3つの学校ゆかりの品を展示するというものです。第一回の全国中等学校優勝野球大会(現在は春夏に甲子園で行われる高校野球の全国大会)の優勝旗など、これまた興味深い、学校史研究の点では見逃せない展示でした。