コロナウィルス騒ぎの渦中に呑み込まれた航空券

「初めてのパリです!」

・・・そんな、ほろ酔い加減の書き出しで始まるはずの、3月最初の「亭主消息」でありますが、どういうわけか今私がいるところは、京都です。

こうなった原因は、1月から猛威を振るいだした最新の肺炎です。この春に予定していたヨーロッパ行きのために最初押さえていたチケットは、中国東方航空のパリ/シャルル・ド・ゴール空港行きでした。すなわち上海経由を予定していたわけです。しかし、この肺炎の流行とともに、経由地の上海まで行く便が、2月に入ってから2度連続で変更となりました。その2回目に代理店に電話して東方航空の便をンキャンセルし、アシアナ航空で券を取り直しました。

さすがに、もう大丈夫だろう、と思っていたら、これがまさかの誤算でした。

2月最終週に入り、まさかの韓国で肺炎が爆発的に流行をはじめ、感染者数があっという間に日本を上回ってしまいました。アシアナ航空ですから、経由地はソウルです。呆然とする暇も有らばこそ、状況の急展開をみて、フライト24時間前の3月1日、この春の訪欧を、遂に断念せざるを得ませんでした。

くたびれ果てていたせいか、まだ口惜しさはさほどでもありません。ただ、フランスで会うはずだった知人たちや、エディンバラの恩師アースキン先生、そしてエディンバラの友人たちとの折角のひと時が泡沫の夢と消えたのは、無念でなりません。まして、フランスは、未だ歩いたことがない国です。初のフランス、パリの街歩き、・・・これが妄想となってしまったかと思うと、無念です。そんな中、アースキン先生からいただいた暖かい励ましのメールには、思わずタブレットに額をこすりつけてしまうほどに感激したものであります。

そんなわけでしばらくの間、日本で勉強することにします。